
「いびきが大きい」
「寝ているときに呼吸が止まっていると言われた」
「十分寝たはずなのに、日中眠い」
このような症状がある場合、睡眠時無呼吸症候群(SAS)が隠れている可能性があります。
睡眠時無呼吸症候群というと、眠気やいびきの病気と思われがちです。
しかし、実際には心臓や血管にも大きな負担をかけ、
高血圧や脳卒中、そして心臓病・不整脈と深く関係することが分かっています。
睡眠時無呼吸はこんな方が注意!
患者自身ができるセルフチェック
「鏡の前で大きく口を開けて舌を下に出した時、口蓋垂が見えていない場合には、形態的に上気道が狭い可能性」

歯磨きやうがいで度々むせる方も注意が必要です。
いびきを「体質」で済ませないでください

睡眠時無呼吸症候群は、寝ている本人が気づきにくい病気です。
大きないびきや呼吸停止を指摘された方
治療しても血圧が下がりにくい方
夜間の動悸や心房細動・不整脈を繰り返している方は、一度検査を受けることをおすすめします。
このような症状はありませんか?
- ☐ 夜中に何度も目が覚める
- ☐ 朝起きたときに頭痛や口の渇きがある
- ☐ 十分に寝ても疲れが取れない
- ☐ 夜間や早朝に動悸を感じる
- ☐ 血圧の薬を飲んでも、血圧がなかなか下がらない
- ☐ 心房細動を繰り返している
眠気が目立たない方もいるため、症状だけで判断することはできません。
上の症状に一つでも当てはまる方はご相談ください。
睡眠中、心臓には何が起きている?
代表的な閉塞性睡眠時無呼吸では、睡眠中に空気の通り道が狭くなり、呼吸が繰り返し止まります。
呼吸が止まるたびに血液中の酸素濃度が低下し、身体は危険を察知して交感神経を活発にします。
その結果、血圧や心拍数が急激に変動します。

上記のイラストのような繰り返される無呼吸が不整脈の起こりやすい環境をつくると考えられています。
特に関係が深いのは「心房細動」
睡眠時無呼吸との関係が特に注目されている不整脈が、心房細動です。

心房細動は脈が速く不規則になる不整脈で、動悸や息切れの原因になるだけでなく、
心臓の中に血栓ができ、脳梗塞につながることがあります。
睡眠時無呼吸を合併していると、心房細動が起こりやすくなるほか、
薬物治療やカテーテルアブレーションを行った後にも再発しやすくなる可能性があります。
このため、現在の心房細動診療では、高血圧・肥満・糖尿病・飲酒などとともに、睡眠時無呼吸への対応が重要視されています
また、著しい徐脈や心停止、期外収縮などがみられる場合にも、背景に睡眠時無呼吸がないか確認することがあります。
参考 2024年ESC心房細動ガイドラインより抜粋・改変
検査は自宅でも受けられます

睡眠時無呼吸が疑われる場合、まずは自宅で行う簡易検査があります。
寝る前にセンサーを装着し、呼吸の状態や酸素濃度などを記録します。
必要に応じて、脳波や心電図なども同時に測定する精密検査(終夜睡眠ポリグラフ検査)を行います。
治療はCPAPがとても有効

中等症以上の閉塞性睡眠時無呼吸では、CPAP(シーパップ)治療が中心となります。
マスクから空気を送り、睡眠中に気道が塞がるのを防ぐ治療です。
適切な治療によって、いびきや日中の眠気の改善に加え、
夜間の酸素低下や血圧変動、心臓への負担を軽減できる可能性があります。
心房細動についても、睡眠時無呼吸を適切に管理することは心房細動の発生率を減らし、
再発予防を考えるうえで重要です。
ただし、CPAPだけで心臓病が必ず治るわけではありません。
当院では薬物治療、抗凝固療法、カテーテルアブレーションなど、必要な治療を適切に判断し
総合的に管理していますので、いつでもご相談ください。
当院の診察はWeb予約が便利です。
よこえ内科循環器・美容形成外科クリニック
院長 横江 洋之